2022年3月7日月曜日

東芝事件解決について(弁護士林裕介)

当法人理事も弁護団として加入していた、東芝事件について、解決のご報告をします。

2018年に、東芝は、原発事業での失敗を契機としリストラ計画(5年間で7000人削減)を開始し、その下で、子会社である東芝エネルギーシステムズ株式会社(「ESS」)の従業員であった小里さん(25年以上、IT業務等、専門的業務に従事)は、同社からの退職勧奨を受けました。そして、小里さんがこれを拒否したところ、同社は小里さんに対し、単純・肉体労働(倉庫内労働等)を行う勤務地への出向・配転命令を行いました。

このような不当な処遇に異議をとなえ、小里さんは、自身のキャリアを十分に活かすことのできるIT関連業務への職場に戻し、適正な処遇を求めて、2020年に訴訟を提起し闘ってきました。

そして、訴訟を通じて小里さんは、20222月に、もとの業務に確定的に戻るという結果を勝ち取るに至りました。この結果は、ひとえに、小里さんが勇気をもって立ち上がったことと、支援する方々の存在によるものです。

企業においては、そこで働く者のキャリアや尊厳を損なうことのないよう十分配慮し、労働者個々人を大切にするよう切に求めます。

 

https://www.asahi.com/articles/ASQ216KBBQ21UTIL01C.html

https://www.kanaloco.jp/news/social/article-821131.html