2016年5月16日月曜日

ワーカーズネット講座 第25回「 ~よく聞く「管理監督者」って,なんだろう??~」


1 はじめに
 ワーカーズネット講座第1回でもご説明しましたが,1日8時間以上もしくは1週40時間以上働いた場合には,原則として,残業代が支払われます。
 しかし,労働基準法上,その労働者が「管理監督者」にあたる場合には,使用者は,残業代を支払わなくてよいことになっています。そうすると,この「管理監督者」にあたるかどうかは,労働者にとって,とっても重要ですよね。
 今回は,この「管理監督者」について,ご説明します!
2 そもそも,どうして「管理監督者」には,残業代を支払わなくていいの??
 それは,そもそも,どうして1日8時間以上もしくは1週40時間以上働いた人に対して,使用者が残業代の支払いを義務付けられているかに深く関係します。それは,かんたんに言うと,労働者が使用者から,過度な労働を課されて酷使されることを防止し,労働者を守るためです。
 そして,下で詳しくご説明しますが,法律上の「管理監督者」は,使用者にかなり近い地位の人を想定されています。ですので,自分の労働時間については自分で管理することが許されるくらいの地位や権限が認められていますし,その地位に見合ったある程度いい待遇(給料など)もされています。このため,「管理監督者」にあたるような人は,過度な労働を自分で防止できるのです。
 このように,「管理監督者」は,使用者に「残業代」の支払いを義務付けなくても,自分で働き過ぎを防止できるので,例外的に,「残業代」を支払わなくてもいいことになっているのです。
3 じゃあ「管理監督者」って,どんな人があたるの??
  よく使用者が使う方法の例として,「うちは店長が管理監督者になっているから,店長の君には残業代が出ないよ。」といったものがあります。
 しかし,法律上の「管理監督者」にあたるかどうか,要するに,使用者が残業代を支払わなくていいかどうかについて,使用者が自由に決めていいはずがありません。言い換えると,会社がいくら,「君は管理監督者だ。」と言っても,残業代を支払わなければならないかどうか,法律上の「管理監督者」にあたるかどうかとは,まったくの別問題なのです。
 では,「管理監督者」には,どのような人があたるのでしょうか。それは,裁判例で,次のような要件を充たす人だとされています。
経営自体に関係するような,重要な職務と責任を有している
出退勤をはじめとする勤務のしかたについて,裁量権を有していること
給与等について,一般の労働者に比して優遇されていること
 どうでしょうか。をみてみると,会社の経営に関係するような職務を負っている必要がありますが,これはかなり高い地位にいる人のことですよね。
 も,例えば「昨日夜遅かったから,今日は遅く出勤しよう。」といったことが,自由にできないと,あたりませんよね。
 も,一般の従業員と変わらないお給料でしたら,あたりません。

4 最後に
  大事なのは,会社が言うことがすべて正しいわけではないということです。会社が,「君は管理監督者だから,残業代が出ないよ。」と言っても,上のように,「管理監督者」にあたる要件は,とっても厳しいものです。
 もし,会社から「管理監督者」にあたるとされ,残業代が支払われていない方がいらっしゃいましたら,上の要件にあてはまるか,じっくり確認されることをぜひともおすすめします。
 「あたらないかもしれない・・・」と思った方は,私たち,もしくはお近くの労働基準監督署,その他専門家などにご相談なさってください!!

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